LRDIMM、すなわち Load Reduced DIMM は、サーバー向けの新しいタイプの業界標準メモリモジュールの 1 つです。LRDIMM は、Intel Xeon E5 プロセッサおよび AMD Opteron 6200 プロセッサを使用する 2012 年の新しいサーバープラットフォームでサポートされています。
LRDIMM は、今日の大半のサーバーで使用されているレジスタード DIMM と似ています。どちらのDIMM も、搭載されるメモリモジュール用のプリント基板が同じで、それが適合するサーバーのメモリソケットも、使用するDRAM チップも同じです。ただし、両者が類似しているのはここまでで、LRDIMM の仕組みは Registered DIMM とは異なります。
Registered DIMM は、Xeon E5 または Opteron 6200 シリーズのプロセッサのメモリコントローラに接続されたパラレル・メモリバスに直接接続されますが、LRDIMM は各モジュールに付加された特殊な「メモリバッファ」チップを経由してバスにつながります。
Registered DIMM を使ってサーバーの構成を行った場合、メモリバスはパラレルモードで動作し、すべての DRAM はプロセッサのメモリコントローラで制御されます。 Registered DIMM に搭載されるDRAM が増えれば、それだけ、メモリモジュールの電気的な負荷が増加します(これを「ランク」といい、メモリモジュールにはシングルランク、デュアルランク、およびクアッドランクが存在します)。 一つのメモリチャンネルに搭載するランクが増えれば、メモリ速度が低下したり、追加のメモリソケットの使用が制限されたり、そのどちらもが生じたりします。
Intel Xeon 5500、5600 および E5 プロセッサ・ベースのプラットフォームでRDIMM を使用する場合、3 番目のバンクの使用によりメモリ速度が低下するため、チャンネル当りの DIMM 数は最大 2 枚の構成に制限されます。
今日では、16GB の容量のデュアルランク・モジュールが入手可能ですが、32GB の RDIMM はクアッドランクですから、チャンネルあたり2枚のDIMM を、はるかに遅い速度で動かすしかありません。
LRDIMM は「メモリバッファ」チップを使用することで、これらの制限を受けないようになっています。 サーバーの構成を LRDIMM のみを使用して行った場合、プロセッサ内のメモリコントローラは自動的にシリアル・モードに切り替わり、すべてのデータ、コマンドおよび制御信号はパケット化されて、LRDIMM のメモリバッファに転送されます。 このメモリバッファは、DRAM チップに対する読み取りと書き込みのすべてを行います。
LRDIMM は、メモリバスに対する DRAM チップの電気的な負荷を大幅に下げ、また「ランク・マルチプリケーション」と呼ばれるプロセスを介して、クアッドランクの LRDIMM を、メモリコントローラ用のデュアルランク・メモリモジュールに変換します。 LRDIMM の電気的なランクが減ることにより、サーバーはRDIMM よりも高い速度でLRDIMM に対応可能になりますし、ソケットに対する制限も少なくなります。 たとえば、メモリモジュール当り 1.5V の場合、Xeon E5 プロセッサは最大で 12 枚の LRDIMM をサポート可能であり、また 1066MHz のメモリ速度で、2Way サーバー当り最大 768GB をサポート可能です。 それに比べて、32GB の RDIMM はクアッドランクのみが入手可能なため、800MHz までの速度で、Xeon E5 プロセッサ当り 8 モジュールという制限があります。
以下の図は、チャネル当り最大 3 枚の DIMM (3DPC) を持つ Intel Xeon E5 サーバーの構成例を示します。
|
1.5V |
モジュール・タイプ (サーバー内での混在は不可) |
モジュールのランク SR/DR=シングル/デュアル QR=クアッド |
チャネル当り 1 DIMM 1 DPC |
チャネル当り 2 DIMM 2 DPC |
チャネル当り 3 DIMM 3DPC |
| Registered DIMM |
SR/DR |
1600 1333 |
1600 1333 |
1066 1066 |
| RDIMM |
QR |
1066 |
800 |
X |
| Load Reduced DIMM LRDIMM |
QR |
1333 |
1333 |
1066 |
表 1:メモリ当りのメモリ速度を最大にする構成。 プラットフォームの効果的なメモリ速度(「データレート」とも呼ばれます)は、プロセッサの定格メモリ速度、メモリモジュールのランクと速度、および 1DPC、2DPC および 3DPC のプラットフォームの構成の要因になります。
大部分の Intel E5 プラットフォームは、1.5V 時に最大 1333MHz で、チャネル当り 2 枚の LRDIMM をサポートでき、また 1066MHz 時にはチャネル当り 3 枚の LRDIMM をサポートできるため、プロセッサ当り 12 枚の LRDIMM の構成になります。クアッドランクの RDIMM の場合は、プロセッサ当り 8 つのソケットのみが使用されるため、メモリ速度は 800MHz になります。
32GB の LRDIMM と 32GB のクアッドランク RDIMM を比較した場合、24 のメモリソケットを持つ 2Way の E5-2600 サーバーは以下のように構成を行うことができます。
- LRDIMM: 32GB x 24 = 768GB (1066MHz および 1.5V 時)
- RDIMM: 32GB x 16 = 512GB (1.5V で 800MHz の時)
LRDIMM は、16GB のデュアルランクまたは 32GB のクアッドランク RDIMM の使用では要求を満たすことができないユーザーに、より大きな容量でより高い速度を提供できるのです。
大容量のサーバー用に LRDIMM が必要かどうか判断する場合:
- 16GB のデュアルランク・メモリモジュールまたは 32GB のクアッドランク・モジュールを持つ特定のサーバープラットフォームの構成を確認してください。
- ユーザーの容量に対して効果的なメモリの速度をご判断ください(当社のパフォーマンスについての書面を参照)。または、当社にご相談ください。
- プロセッサ当り 8 x 32GB 以上が必要な場合は、LRDIMM が必要です。それ以外の場合、800MHz で十分なら、32GB のクアッドランク RDIMM で動作します。 1066MHz または 1333MHz の速度が必要な場合は、対応できるのは LRDIMM のみです。