KC3000 SSD installed into a desktop PC motherboard in a case

PCIe Gen 3 と PCIe Gen 4 の違い

PCIe は過去 10 年間、高速周辺機器コンポーネントをマザーボードに接続する際の標準的なインターフェイスでした。このインターフェイスの第 4 世代にあたる PCIe 4.0 規格は、2017 年に発表されました。しかし、この新技術を使用する SSD やグラフィックカードは Computex 2019 まで現れませんでした。現在、PCIe 4.0 は、SSD、GPU、マザーボード、高出力拡張カードなど、どの分野でも注目が高まっています。しかし PCIe Gen 4 とは何でしょうか?基礎を詳しくご説明します。

PCI Express のロゴ
PCIe Gen 4 の概要

PCIe Gen 4 は、PCI Express 仕様で最新の第 4 世代です。PCIe Gen 3 の後継の PCIe Gen 4 は、現在市場で販売されている PCIe の中で最速の世代です。

PCIe Gen 4 の働き

PCIe Gen 4 によってシステムは、GPU や PCIe NVMe SSD などの高パフォーマンス PCIe デバイスに接続できます。

PCIe Gen 4 の必要性

ますます厳しくなるユーザーアプリケーションやワークロードの要件を達成するには、高速データバスの需要増大に対応するには、PCIe 技術の進歩が必要です。

PCIe Gen 3 と PCIe Gen 4 の違い

PCIe Gen 4 のデータ転送速度は PCIe Gen 3 の倍ですので、PCIe Gen 4 デバイスはさらに高速にデータを伝送できます。PCIe Gen 3 は 8 GT/秒(ギガトランスファー/秒)で作動しますが、これは PCIe レーンあたり 1 GB/秒(ギガバイト/秒)に相当します。これと比較して、PCIe Gen 4 は 16 GT/秒で作動し、PCIe レーンあたり 2 GB/秒に相当します。

PCIe Gen 4 の最大帯域幅

PCIe Gen 4 デバイスの最大帯域幅を理解するには、これがサポートする PCIe レーンの数を知る必要があります。PCIe デバイスはデータの送受信に「レーン」を使用しますので、PCIe デバイスの使用できるレーンの数が多いほど、帯域幅も大きくなります。PCIe デバイスのサポートするレーンの数は通常、4 レーンの場合は「x4」、8 レーンの場合は「x8」のように表記します。

x1x2x4x8x16
PCIe Gen 3 帯域幅 1 GB/秒 2 GB/秒 4 GB/秒 8 GB/秒 16 GB/秒
PCIe Gen 4 帯域幅 2 GB/秒 4 GB/秒 8 GB/秒 16 GB/秒 32 GB/秒
PCIe Gen 4 には下位互換性がありますか?

PCIe Gen 4 には下位互換性がありますので、PCIe Gen 3 システムに接続した PCIe Gen 4 デバイスは PCIe Gen 3 の速度で正常に機能します。つまり、今日 PCIe Gen 4 NVMe SSD を買ったとしても、PCIe Gen 4 をサポートしていない現行システムですぐに使用できます。そして将来 PCIe Gen 4 システムにアップグレードしたら、PCIe Gen 4 NVMe SSD の全性能を解放できます。

PCIe Gen 4 が利用可能になる時期

PCIe Gen 4 は現在、業界で採用が進みつつあり、多くの PCIe Gen 4 製品が市場に出ていますが、最新の製品だけが PCIe Gen 4 をサポートしています。今後 PCIe Gen 4 は、業界標準になるでしょう。

PCIe Gen 4 の入手方法

PCIe Gen 4 の利点を活かすには、CPU、マザーボード、PCIe デバイスが PCIe Gen 4 に対応している必要があります。

現在 PCIe Gen 4 に対応しているデスクトッププラットフォーム

PCIe Gen 4 対応のデスクトップ CPU とマザーボードの一部には、現在次のものが同梱されています。

  • AMD Ryzen™ 3000 および 5000 シリーズ CPU
  • AMD X570、B550、TRX40 マザーボード
  • Intel® 第 11 世代「Rocket Lake」および第 12世代「Alder Lake」コア CPU
  • Intel® Z490、Z590、Z690 マザーボード
PCIe NVMe SSD の概要

PCIe NVMe SSD は、データ転送に高速 PCIe バスを使用し、ホストシステムとの通信に NVMe(不揮発性メモリエキスプレス)プロトコルを使用するソリッドステートドライブです。これらのドライブは PCIe バス上で作動しますので、SATA SSD より著しく帯域幅が増加し、応答時間が早くなります。

PCIe Gen 4 によって PCIe NVMe SSD は速くなりますか?

PCIe Gen 3 は高速 PCIe NVMe SSD の帯域幅すべてに対応できません。これは事実上、SSD パフォーマンスのボトルネックになっています。PCIe Gen 4 ではこのパフォーマンスのボトルネックが解決され、PCIe NVMe SSD はさらに高速にデータを読み書きできます。

PCIe NVMe SSD に使用されているフォームファクタ

PCIe NVMe SSD では、アドインカード(AIC)、M.2、U.2 など各種フォームファクタを使用できます。クライアント PCIe NVMe SSD では通常、薄型デザインで容易にデスクトップパソコンやノートパソコンに合わせられる M.2 2280 フォームファクタだけを使用します。エンタープライズクラスの PCIe NVMe SSD では、3 種類のフォームファクタをすべて使用します。U.2 にはサーバーバックプレーンとの互換性があるため、もっともよく使用されています。

M.2、U.2、AIC SSD フォームファクタ


まとめ

PCIe 4.0 プラットフォームでは柔軟性向上と利用可能な帯域幅の増大ができます。PCIe 4.0 インターフェイスを使用する SSD は、データ集中型のワークロードに適しています。アプリケーションやゲームを高速にロードする一方で、ブートのロード時間も最適化します。PCIe 4.0 では節電性能も向上していますので、デバイス作動時の発熱が少なく、消費電力も低くなります。PCIe 4.0 を採用する製品が増加しているため、PCIe 3.0 か 4.0 かで頭を悩ます必要はありません。PCIe 4.0 は気づかないうちに業界標準となるでしょう。

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